稲田堤・京王稲田堤の内科・外科・胃腸科・肛門科「医療法人徳真会 西村クリニック」HOME > 診療案内
当院での舌下免疫療法による治療は、高校生以上に限定しております。
(未成年者の場合は、初回診療時必ず保護者の同伴をお願いいたします。)
アレルゲン免疫療法
アレルゲン免疫療法(減感作療法)とは、アレルギー疾患の病因アルルゲンを少しずつ投与していくことにより、
アレルギー症状を緩和する治療法であり、アレルギー疾患の自然経過を改善させる可能性がある治療法です。
対象疾患は、アレルギー性鼻炎・気管支喘息・食物アレルギーなどがあり、施行法として注射による皮下免疫療法と
舌下投与による舌下免疫療法などがあります。
約100年前から皮下免疫療法を中心に行われていますが、より安全で簡便な投与経路として舌下免疫療法が登場し、
現在、欧州を中心に広く行われています。
舌下免疫療法
現在、スギ花粉及びダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法(保険適応)が可能です。
花粉orダニが原因となるアレルギー性鼻炎患者(症状に合致するアレルゲン検査陽性)において、
以下の場合に適応となります。
①(抗ヒスタミン剤などの)一般的な薬物療法で十分なコントロールが得られない方
②臨床的治癒・緩解を希望する方
3~5年と長期間にわたる治療が必要で、対症療法(抗ヒスタミン剤等)のように即効性を期待して行うものではありません。 しかし、アレルギー性鼻炎を対象とした舌下投与によるアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)では、症状の改善・対症療法薬剤の使用量減少・QOLの改善などが期待されます。
また、アレルギー性鼻炎の治療法ですが、アレルギー性結膜炎・喘息にも効果が期待できます。
副作用として投与開始初期に投与部位(口腔内)に関連したアレルギー症状の発現が多く、アナフィラキシー等が発現する可能性もあります。
以下の患者様は、舌下免疫療法の禁忌あるいは慎重投与となっています。
① βブロッカー(高血圧治療薬の一つ)使用中の患者→アナフィラキシーが起こりやすいとの報告がある。
また、アナフィラキシー時に使用するアドレナリンの効果を減弱する。
② 治療開始時に妊娠している患者→(安全性が確立されていない)
③ 不安定な重症喘息を合併している患者(1秒率が70%未満)
治療開始前の患者様への確認事項
*(花粉症の場合は花粉非飛散期も含め)長期間治療を受ける意思がある
*舌下アレルゲンエキスの服用をスケジュール通りに毎日継続できる
*少なくとも1ヶ月に1度は受診可能である。(初期は2週間毎)
*全ての患者に効果が期待できるわけではない事が理解できる
*効果があって終了した場合も、その後その効果が減弱する可能性がある事が理解できる
*副作用等の対処法が理解できる(アナフラキシーはほとんどないが、舌下の腫れは頻度が高い)
副作用発現を避けるために
*舌下前後少なくとも2時間は、飲酒・激しい運動・入浴は避ける
*舌下直後(5分間)の食事は避ける≪飲酒は2時間避ける≫
投与を避けるとき
以下の時には、休薬する (舌下を長期に中断した後、舌下を再開する時の明確な知見はまだない)
*喘息発作時・気管支喘息症状が激しい時
*口腔内の掻痒などの症状がひどい時
*抜歯等の口腔内術後、口腔内に傷や炎症等がある時
*感冒等や体調が悪い時
初回投与は、(アナフィラキシー症状の有無を確認するために)院内で薬を舌下する必要があります。
当院は院外処方となっているため、薬局で薬を受け取ってから医院に戻ってきていただき、医師(又は看護師)の指導下に薬を舌下していただき、その後30分間、院内で観察します。
従って、初診時には「午前:11時」・「午後:17時」までに受付して、受付で【舌下免疫療法希望】と伝えて下さい。
スギ花粉
スギ花粉飛散時期(2月~4月)に新たに開始する事は禁忌となっておりますので、
ご注意ください。(アナフィラキシー症状の発症リスクが高いため)
≪ シダキュア舌下錠 ≫投与
開始後1週間は、
シダキュアスギ花粉舌下錠
2,000JAU を 1 日 1 回 1 錠 舌下投与。
【 初回投与は、アナフィラキシー症状の有無を確認するために、
院内で舌下し30分間は院内で観察する必要があります。】
2週目以降は、
シダキュアスギ花粉舌下錠
5,000JAU を 1 日 1 回 1 錠 舌下投与。
舌下にて 1 分間保持した後、飲み込む。
注意!
・舌下後 5 分間はうがいや飲食を控える。
・服用前後2時間程度は、激しい運動・アルコール摂取・入浴などを避けるようにしてく
ださい。(身体の血行が良くなることにより、本剤の吸収が促進され、副作用が発現
するおそれがあります。)
・アナフィラキシーなどがおきたときの対応を考慮し、家族のいる場所や日中の服用が
推奨されます。
シダキュア舌下錠は、(新薬のため)2019年5月までは2週間処方となります。
≪ シダトレン スギ花粉舌下液 ≫投与開始後2週間は、
増量期として以下の要領を1日1回 舌下に滴下し、
2分間保持した後 飲み込む。
その後5分間は うがい・飲食を控える。
*1週目:シダトレン スギ花粉舌下液200JAU/ml
1日目0.2mL、2日目0.2mL、3日目0.4mL、4日目0.4mL、5日目0.6mL、6日目0.8mL、7日目1mL

【 初回投与は、アナフィラキシー症状の有無を確認するために、
院内で舌下し30分間は院内で観察する必要があります。】
*2週目:シダトレン スギ花粉舌下液2,000JAU/ml
8日目0.2mL、9日目0.2mL、10日目0.4mL、11日目0.4mL、12日目0.6mL、13日目0.8mL、
14日目1mL

*3週目以降は、
維持期としてシダトレン スギ花粉舌下液2,000JAU/mlパック全量(1ml)を
1日1回 舌下に滴下し、
2分間保持した後 飲み込む。
ダニ
≪ ミティキュア ダニ舌下錠 ≫ (
コナヒョウヒダニ及び
ヤケヒョウヒダニ抽出エキス)
投与
開始後1週間は、
ミティキュアシダ花粉舌下錠
3,300JAU を 1 日 1 回 1 錠 舌下投与。
【 初回投与は、アナフィラキシー症状の有無を確認するために、
院内で舌下し30分間は院内で観察する必要があります。】
2週目以降は、
ミティキュアシダ花粉舌下錠
10,000JAU を 1 日 1 回 1 錠 舌下投与。
舌下にて 1 分間保持した後、飲み込む。
注意!
・舌下後 5 分間はうがいや飲食を控える。
・服用前後2時間程度は、激しい運動・アルコール摂取・入浴などを避けるようにしてく
ださい。(身体の血行が良くなることにより、本剤の吸収が促進され、副作用が発現
するおそれがあります。)
・アナフィラキシーなどがおきたときの対応を考慮し、家族のいる場所や日中の服用が
推奨されます。